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サントリーの”ワインのプロ”が全部お答え!ワインの疑問、一問一答

シャインのみなさまお疲れ様です!マル・デ・シャインnote編集部です。

今回は、2020年11月27日(金)に開催したオンラインセミナー「サントリー流カジュアルワインの楽しみ方を体験してみなはれ」からの番外編。

『視聴者の方からいただいた質問に全部お答えしよう!』ということで、セミナー応募時やセミナー中にいただいた質問に可能な限りすべてお応えしていくという、ワインの役立つ知識のみで満たされた記事をお送りします。

なにせ「全部」なのでだいぶボリュームが多くなってしまいました。
目次を参考に気になる箇所をぜひ見てみてくださいね!

講師のご紹介

柳原さん_resize

ワインスペシャリスト・ヤナギハラさん
●(一社)日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ
●(一社)日本ソムリエ協会主催の第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝
●サントリーワインインターナショナル(株)スペシャリスト
 年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いのすべてをワインに投じる徹底したワイン愛好家。好きなワインは、酸味のある白と軽い赤。ヤギ乳製チーズをこよなく愛し、通称"ヤギ原"とも呼ばれる。

片山さん_resize

国産ワイン担当・カタヤマさん
2008年入社、人事給与センター配属。その後ワイン営業→総合酒類営業として全国・地場スーパー本部を担当。
2018年よりワインマーケティング業務に従事し、2019年より主に「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」を担当。
趣味はダイビング・旅行・飲み。沖縄の離島によく行ってます!

中川さん_resize

輸入ワイン担当・ナカガワさん
2013年入社、広報部配属。国産ワイン・輸入ワインの広報を担当。
2017年より輸入ワインのマーケティング業務に従事し、主にチリワイン「サンタ バイ サンタ カロリーナ」を担当。
2020年にソムリエ資格を取得!日々ワインの勉強を続けています!あと、屋久島に年に必ず一度は訪問するほど、屋久島ラバーです。

それではさっそく行ってみましょう!

ワインの飲み方についての「~して良いでしょうか。」「~は邪道でしょうか。」というご質問について

沢山の方からこの質問をいただきました。お好きにしていただいて大丈夫です(笑)
ワインは嗜好品です。ご自身が美味しいと思われる飲み方、食べ物との合わせ方をして頂ければ良いと思います。温めても、氷を入れても、湯呑で飲んでも(←私もたまにやります)、納豆と合わせても。自分の味覚は自分だけのものですよね。(ヤナギハラさん)

基本知識を学びたい!

ワインはとても奥の深い飲物で、学ぶ事は際限なくあるように思います。私も今でも日々新しい発見があり、学ぶ事だらけです。そんな中で大切な基本と思われる事をこちらのページにまとめていますので、ご覧頂ければと思います。(ヤナギハラさん)

サントリーワインスクエア ~基礎知識~

また、同様の内容をYouTubeの動画でも、もう少し詳しくご説明しています。併せてこちらもご利用頂ければと思います。

ワインと土壌の味わいの関係を教えてください。

知らないワインを飲んでズバリ土壌を当てる事はなかなか難しいですが、土壌は確かにワインの味わいに影響を与えています。
同じ生産者が、同じ品種で、同じ年に、同じつくり方でつくった、土壌の違う畑のワインを飲み比べてみると、その事がわかります。土壌とワインの味わいについての関係性の基本的な事をこちらの動画にまとめていますのでご覧下さい。(ヤナギハラさん)

ワイン用ぶどうと、生食用ぶどうの違いは?

粒の大きさや、果皮の分厚さ、甘さ、酸っぱさなど、多くの点で違いがあります。詳しくはこちらをご覧下さい。(ヤナギハラさん)

ぶどう1

ぶどう2

同じ産地のワインは毎年同じ味になりますか?

同じ産地でつくられるワインは、基本的には同じ味わいの傾向を持ちます。ただし、産地が同じでも、天候は毎年異なります(ヴィンテージの違い)。また生産者は毎年のぶどうの出来に適した醸造を行います。そのため、同じ畑からつくられるワインでも毎年味わいは異なります。それもまたワインの楽しみの一つです。ワインの味わいを決める要素については、こちらの動画をご覧下さい。(ヤナギハラさん)

【天地人とぶどう編】

【天が与える影響編】

【地が与える影響編】

【人が与える影響編】

ラベルにヴィンテージが表示されているものといないものの違いは?

ぶどうの生産年が異なればワインの味わいは変わってきます。そのため、伝統的にワインの味わいの参考にするために、何年に生産されたぶどうでつくられたワインかをラベルに表記して来ました。
特に生産されるエリアが限られる高級ワインの世界では、年による味わいの差を楽しむ事も喜びの一つであるため、ヴィンテージが表記される事が殆どです。
それに対して、日々の食卓で楽しまれるカジュアルなワインの世界では、お手頃な価格で安定的な味わいを供給するため、産地や生産年の異なるワインをブレンドする事が多いです。そのため、ヴィンテージを表記しないものも多くなっています。
また、シャンパンの様にブランドとしての味わいの一貫性や均一性を重視するワイン産地では、複数年のワインをブレンドする事で味わいの安定化を図るため、高級ワインであってもヴィンテージが入っていないものもあります。(ヤナギハラさん)

同じ品種のぶどうでも味が違うのはどうして?

同じ品種は基本的には同じ味わいの傾向を持ちます。ただし、品種が同じでも、つくられる産地の気温が異なったり、毎年の天候が異なったり、ぶどうの植えられる畑の土壌が違ったり、醸造方法や熟成方法が違ったりすると、出来上がるワインの味わいは異なったものになります。ワインの味わいを決める4つの要素については「質問:同じ産地のワインは毎年同じ味になりますか?」に貼った動画をご覧ください。(ヤナギハラさん)

ワイン酵母にはどのような種類がありますか?

ワインをつくる酵母は基本的にはその他の酒類と同じ「サッカロミセス・セレビシエ」の仲間です。その中でも、高いアルコール度数と酸に耐える事の出来るものがワイン醸造に利用されています。
元々ぶどうの果皮や醸造所に住み着いている酵母(自然酵母)からワインをつくる場合と、自然酵母の中から発酵能力が高いものを純粋培養して市販される培養酵母からワインをつくる場合があります。種類は共にとても沢山存在します。(ヤナギハラさん)

ワインボトルの形の違いと、容器素材の味への影響は?サントリーでは缶ワインを発売しますか?

ワインの容器については、こちらのホームぺージで解説していますのでご覧下さい。

缶ワインは、今世界中で大きく伸びている容器です。サントリーでも以前から注目しており、丁度今年の春から新発売します。楽しみにお待ち下さい!(ヤナギハラさん)

▼新発売!缶入りスパークリングワイン「ボッリチーニ」の情報はこちら

好みのワインの見つけ方を教えて!

好みは個人によって異なるので、やはり自分の好みを見つけるためには自分で飲んでみるのが一番かと思います。その中でオススメの方法を幾つか挙げさせていただきます。(ヤナギハラさん)

①ジャケ買い
自分の好みのラベルなら味わいが好みである可能性は意外に高かったりします。
②ワインの味わいを決める4つの要素(天・地・人・ぶどう)のどれかを固定する
例えば品種を固定して好みの国や生産者を見つけるとか。手あたり次第に飲むよりも、好きなタイプを絞りやすくなります。
(4つの要素の詳細は「質問:同じ産地のワインは毎年同じ味になりますか?」の動画をご参考にどうぞ)
③信頼出来るお店を見つける
やはりプロは頼りになります。好みのワインのタイプがうまく伝えられない時は、好きな食べ物を伝えると、選ぶ側はイメージしやすくなると思います。

ワインの飲み頃の見分け方を教えてください。

ワインは1本1本生きており、コンディションが異なるため、開けずに飲み頃を見分けるのは、熟練のソムリエでもなかなか難しいものです。
ただワインは赤でも白でもロゼでも、それぞれが持つ寿命の中で老齢期になってくると液色が褐色の感じを増してきます。ライトにワインボトルの首の部分を透かしてみて、明らかに茶色い感じに見えた場合は、そのボトルは早く飲んでしまった方が良いと言えると思います。
また、世界中で生産されるワインの殆どは生産されて数年のうちに飲んでしまう事を前提としています。10年を超えるような長期熟成を経て味わいが向上するのは、一部の高級ワインだけである事も知っておいていただければと思います。(ヤナギハラさん)

デザートワインのおすすめは?

一口に「デザートワイン」と言っても、製法やぶどうの品種によって多くのタイプが存在します。日本では甘口~極甘口の”スティルワイン”をデザートワインと呼ぶ事が多いと思いますが、欧米では酒精強化タイプの甘口(ポートやマデイラなど)や、スパークリングの甘口をデザートワインとして飲む事も多いです。

スティルの甘口ワインも製法によって大きく以下の4つに分かれます。
①貴腐ワイン
②遅摘みの甘口
③収穫後に乾燥させたぶどうからの甘口
④アイスワイン

これら4つの説明は以下のリンクから確認下さい。

上記4つは生産するのが大変で高価になる傾向がありますが、もう少し安価なタイプの甘口の製法として、人工的な方法で醗酵を途中で止めてしまう方法や、ぶどうジュースや濃縮果汁で甘味を足すなどの方法でつくられる甘口ワインもあり、それぞれに味わいが異なります。
気軽に楽しむなら、まずはドイツのぶどうジュースで甘さを調整したタイプがフルーティで飲みやすくて良いかと思います。サントリーの輸入しているワインでいうと「マドンナ」がそれにあたります。(ヤナギハラさん)

飲めない人でも楽しめるワイン、またはコツを教えてください。

あまり複雑な味わいのもの(高級ワイン)より、フルーティさが前面に出ていたり、アルコール度数が低めのものだったり、少し甘めのものが飲みやすいと思います。
赤ワインは渋みがあって慣れるまでは飲みにくいので、最初は白ワインの方が飲みやすいと思います。私も最初は軽めで少し甘いドイツの白からワインの世界に入りました。代表的な商品名は「マドンナ」です。微発泡で軽やかな「マテウス」もオススメです。

飲み方としては、氷を入れてアルコール度数を下げたり、ソーダやオレンジジュース、コーラなどで割ってしまうという手もあります。
邪道という声もあるかも知れませんが、立派にワインカクテルとして世界中で飲まれているものばかりです。
白ワイン+ソーダ=スプリッツァー、赤ワイン+コーラ=カリモーチョ、ワイン+果汁=サングリア、白ワイン+カシスリキュール=キールなど。色々あります。

あとは、何人かで楽しく飲む事。ワインには他の酒類よりも、会話を盛り上げてくれる力があると思います。人数がいれば、無理して沢山飲まなくても、他の人に飲んでもらえば良いですよね。(ヤナギハラさん)

赤ワインが苦手ですが、おいしく飲むコツは?好みじゃなかった時に料理以外で使う良い方法は?

まずは、無理をせずに「自分が美味しいと思うもの」を飲まれることをお勧めします。
もしどうしても赤ワインを飲む必要があって、赤ワインのタンニン(渋み)が苦手な場合は、一緒に動物性の脂を摂ると渋みをあまり感じず、甘さが際立つので飲みやすくなります。

料理以外で使う場合は、寒い時期ならハチミツ+スパイスでホットワインにする(ホットワインの詳しい作り方は「質問:ホットワインのつくり方、おすすめレシピを教えてください。」を参考にどうぞ)、果実とシロップを加えてサングリア的にして飲むなどの方法があるかと思います。コーラで割るカリモーチョというカクテルもありますし、スペインでは他にソーダ+シロップで割る飲み方も日常的です。(ヤナギハラさん)

ワイン初心者向けの「甘口」を教えて!

ドイツ産の白ワイン「マドンナ」がお薦めです。発売年の1972年から長年愛され続ける甘口ワインで、和食やエスニック料理、フレッシュタイプのチーズにも相性抜群です。
また「赤玉スイートワイン」は、100年以上愛され続ける国産の甘口ワイン。優しい甘さのあるワインで、ワインだけでも楽しめますし、氷やお湯、ソーダ、ジュース等で割っても楽しめます。色々な楽しみ方をご紹介しておりますので、こちらをご覧ください。(ヤナギハラさん)

ラベルでワインを選べるようになるコツを教えてください。

世界の殆どのワイン生産国には、「ワイン法」というワイン生産や販売のルールを決めた法律があり、その法律でラベルに記載する事も細かく決められています。ですので、詳しい人が見ると、ラベルを見た時点でそのワインがどんな味わいなのかを大体想像する事が出来ます(想像が出来るようになるには、それなりの世界のワインに対する知識の勉強と、実際に飲む経験が必要にはなります)。ラベルにどんな事が書かれているかの説明は、こちらを参考にどうぞ。(ヤナギハラさん)

熟成したワインの方が価値がありますか?

世界の殆どのワインは生産されてから数年のうちに飲まれる事を前提に生産されています。これらのワインはたとえ熟成させたとしても味わいの向上は期待出来ず、フレッシュな果実味を失って、熟成によって魅力が減ってしまう結果になるかと思います。

一部の高級ワインには出来てから何年も(ものによっては何十年も)熟成することによって、味わいがより複雑に変化していくものもあります。もちろん熟成させる年月にもコストがかかるワケで、熟成させたワインは、出来てから早く売られるワインよりも価格も高めにもなります。
そして、そもそも年月を経ても美味しく飲めるワインというのは良いワインの証明でもあり、そういった良いワインは限られた産地の恵まれた年にしか生まれないという事を考えると、確かにそこには価値があると言えるかもしれません。実際に高値で販売されるワインも多いです。

とは言え、ワインの価値を決めるのは飲む人です。誰もが熟成した複雑な風味のワインが好きという訳ではないと思いますし、フレッシュな果実味が好きな方にとっては、熟成したワインのドライフルーツやキノコ、土などを思わせる風味は合わない可能性もあります。ですので、ワインの価値はご自身の好みに合うか合わないかが一番ではないでしょうか?(ヤナギハラさん)

ビールの後に飲むのに適したワインは?

初めていただく質問でとても面白いと思いました!

条件としては、
①ビールで既にある程度のアルコールが摂取されている
②ビールの苦みで食欲が刺激されている
③既に発泡性のお酒を飲んだ後なのでスパークリングワインはちょっと違うかも?

という3つの点がポイントかと思います。

①②と同じような役目を果たす、軽快で酸味主体の軽やかな白や赤は選ばず、ある程度の飲み応えを持ったタイプのワインに行くのがオススメです。白であれば少し樽熟成もしたようなコクのあるシャルドネ、赤であれば果実味と適度な渋みを併せ持ったカベルネ・ソーヴィニヨンやシラー(シラーズ)、マルベックなんかが合うように思います。(ヤナギハラさん)

赤と白とどちらが美味しい?

好みです(笑)
個人的には両方美味しいですし、そこに上下はありません。シチュエーションや合わせる料理、季節やその日の気分によっても大きく変わります。(ヤナギハラさん)

グラスの使い分けはした方がいい?

決まり事はなく、好きなグラスで飲んでいただければ良いのですが、確かに使うグラスによって同じワインでも、異なった味わいに感じられます。
グラスメーカーさんのホームページなどを見ていただけると沢山の情報があるかと思います。(ヤナギハラさん)

大まかなワインとグラスの関係についてはこちらのコラムをご覧下さい。

また、実際に形の違うグラスで実験したデータはこちらをどうぞ。

【赤ワイン編】

【白ワイン編】

グラスをクルクル回すのはやった方が良いですか?

ソムリエがグラスを廻すのは、廻す事でグラス内に酸素を入れて、急激に酸化熟成させる事で、ワインがこの後どのような状態に変化していくのかを確認するためです。グラスを廻す事で、それまで感じ取れなかった香りがワインから新たに感じ取れるようになります。

とは言え、グラスを廻す事で出て来る香りは、廻さなくても待っていればいずれ出て来る香りでもあります。
ソムリエは仕事で手早く香りをとる必要があるために、どんどんグラスを廻しているのです。

つまりグラスは廻しても、廻さなくてもどちらでも良いという事です。グラスに鼻を近付けた時に、あまり香りがしないなと思ったら、グラスを廻せば香りが出て来る可能性が高いです。
ただ、変化を見るために廻しているので、最初にグラスにある香りをチェックする前に廻すのはやめましょうという事は言えます。鼻に近づける前にグラスを廻してしまうと、酸化した後の香りしかわからないという事になりますので、注意したいところです。
過去にグラスを廻すとどれだけ風味が変わるのか実験した事があるのでこちらの記事も参考にどうぞ。(ヤナギハラさん)

【赤ワイン編】

【白ワイン編】

開栓後の賞味期限・保存方法は?味は変わるの?安い方が味が変わりにくい?

ワインには開栓前の賞味期限がありません。常に味わいが熟成によって変化していくお酒であり、その味わいのどの部分を良いとするかが、個人の嗜好による差がとても大きいので、いつまでに飲むかを定めていないのです。また高い酸度と十分な高さのアルコールを併せ持つ液体のため、有害な微生物が繁殖する可能性が極めて低い事も、賞味期限が無い理由の一つです。

開栓後の賞味期限もその意味では無いと言っても良いですが、ワインは一度栓を開けると急激に酸化熟成のスピードが速まるため、一般的には開栓後1週間くらいまでが、美味しく飲める期間だとされています(あくまで一般的な目安で、個々のワインによって大きく異なります)。

一度、開栓したワインはコルクを刺しなおすか、キャップを締めて冷蔵庫で保管して下さい。コルクを差し直す際は、元々刺さっていた向きで刺して下さい。逆の面の方が差し直しやすいのですが、逆の面は外気に触れていた部分なので不快な風味が付着している可能性があり、ワインにその風味が移る事があります。
開栓後のワインの味は日々酸化によって変わります。そのスピードはボトルの中の酸素の量によるので、少ししか飲んでいない時は変化のスピードは遅く、ボトル内のワインの量が減っていくにつれて酸化のスピードは飛躍的に速くなります。

安いワインの方が味が変わりにくいのか?というご質問もありましたが、これはものによるかと思います。過去に行った実験がありますのでご参考にどうぞ。(ヤナギハラさん)

【赤ワイン編】

【白ワイン編】

また市販されている保存グッズを色々使った実験もしています。

【結果はこちら】

ワインオープナーが無かった時はどうしたらいいですか?

コルクを押し込んでボトル内に落としてしまうのが良い手ですが、ワインが満量入った状態だと圧力で押し込めません。何らかの方法でコルクに穴を開けて、ワインの一部をその穴からグラスに出し、圧力が下がったらコルクを押し込むと飲めると思います。(ヤナギハラさん)

原産国の人たちが普段飲んでいる価格帯は?

日本同様、日常的にはカジュアルな低価格帯が主体です!(ヤナギハラさん)

海外ワイナリーでの面白いエピソードを教えてください。

時差12時間、日本からの移動時間およそ30時間のチリ。
早朝に到着して、へとへとですが、ワイナリーの方々は暖かく迎えてくれて、重要なミーティング前のランチにてしっかり自社ワインをふるまってくれました。少なくともグラス3杯は用意されていたと思います。
お昼からお酒を楽しむスタイルにびっくりしつつ、午後のミーティングで失敗をしないように気を付けました笑。(ナカガワさん)

ワインもブレンドして飲んで良いですか?

嗜好品なので、お好きな方法でお楽しみ下さい。私もたまに残ったワインでやってみたりしますが、ワインの味わいはブレンドした直後より、そこからある程度の期間をおいて、ワイン同士の味わいが馴染んでからの方が美味しく感じる気はします。(ヤナギハラさん)

ホットワインのつくり方、おすすめレシピを教えてください。

ホットワインについてはこちらの記事をご参照下さい。電子レンジで気軽につくれます。今回のセミナーでご紹介した「サンタ バイ サンタ カロリーナ」でつくるホットワインのおすすめレシピも載っています。(ヤナギハラさん)

驚きのマリアージュを教えてください。例えば納豆と合うワインは?絶対合わない組み合わせは?

よく驚かれるのはクセのある青カビチーズと甘口のワイン(なんでも)です。以前やった実験でタイのグリーンカレーとボルドーワインの相性が良くて驚いたこともあります。
納豆はなかなか難しい(腐った水のような香りが感じられる)のですが、甲州のワインはわりと合うと個人的には思います。
ワインと料理の相性は、各人の嗜好が大きいので”絶対”合わないというのは難しいです。ただ、殆どの方が生臭くてたまらないと言うのは、魚卵とワインですね。生卵もしんどいと思います。あと、辛口ワインと糖分を使った料理、唐辛子の辛さが凄く強いものもしんどい事が多いです。(ヤナギハラさん)

赤ワインとおすすめの、普通のおうちごはん・和食・牡蠣のメニューを教えてください。

醤油や味噌、ソース類を使った料理は白ワインよりも赤ワインが合う事が多いです。パッとお皿を見た時に、全体の印象が赤や茶色、黒の印象になっているお料理も赤ワインが合う事が多いです。気軽に色々試してみて下さい。

牡蠣を使った料理で赤ワインと合わせるとしたら、広島風の土手鍋がよいかなと思います。赤ワインも、出来れば海の近くでつくられたものの方が、合わせやすいと思います。(ヤナギハラさん)

セミナーで紹介していたワイン2種(酸化防止剤無添加のおいしいワイン。とサンタ バイ サンタ カロリーナ)のおすすめつまみを教えてください。

”無添加”は、肉じゃが、照り焼きチキンなど。優しい甘さが特長なので、醤油やみりんの甘さを持った食事との相性が良いと思います。(カタヤマさん)

”サンタ”は、しっかり濃い旨な味わいが特長なので、おつまみなら、チーズや生ハムはもちろんのこと、ツナ缶や唐揚げなどとも相性ぴったりです。(ナカガワさん)

料理とワインの選び方を教えてください。

セミナー当日の最後にも少しご説明しましたが、より詳しくはこちらの4つの動画を参照いただければと思います。(ヤナギハラさん)

【料理とワインの合わせ方全体像編】

【色で合わせる編】

【強さで合わせる編】

【今日出来るマリアージュの工夫編】

講師お三方それぞれの、ワインに一番合うと思うおつまみを教えてください。

どんなワインにも合うと思える常に欠かせない相棒は、僕にとっては美味しいパンです。特に、噛みしめて味の出るハード系がおすすめです。(ヤナギハラさん)

肉じゃがですね。「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」の優しい甘さと里芋やかぼちゃなど煮物の甘みが良く合いますが、中でも肉の旨みも味わえる肉じゃがは、”無添加”の赤と相性抜群です。(カタヤマさん)

ブルーチーズ!ワインと合わせると旨味が口の中いっぱいに広がり、至高の時間を過ごせます。一日の疲れも吹っ飛びます。(ナカガワさん)

カニがあるのですが、どんなワインを合わせれば良いでしょうか?

カニと鉄板の相性を誇るワインは、樽熟成したリッチなシャルドネです。特にタラバガニなどの大きなカニには間違いない相性を誇ります。
より繊細なズワイガニだとシャブリも素晴らしく、小型で味噌が濃厚な毛ガニやワタリガニなどにはスペイン、リアス・バイシャスのアルバリーニョ種からの辛口白ワインも鉄板です。
また、「カニ(特に味噌の多い部分の場合)は熟成したボルドーの赤ワインに限る」と言う、とても有名なソムリエさんもいます。(ヤナギハラさん)

(酸化防止剤が)無添加だと体に良い?頭痛の原因になる?どうして入っているものと入っていないものがあるの?

「酸化防止剤(亜硫酸塩)」は、ワインが酸化して味や風味が落ちることを防ぐ役割をもっています。人体への悪影響はなく食品衛生法で使用が認められており、販売されているほとんどのワインに含まれています。
酸化防止剤を使っていないから健康に良い、というわけではないですが、サントリーでは近年の食品添加物への関心の高まりから、お客様により安心して美味しいワインを楽しんでいただけるよう「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」を開発しました。
また頭痛については、一般的にアルコール摂取量の影響が大きいとされています。詳しくは「質問:ワインで起こる頭痛の原因は?」を参照ください。(カタヤマさん)

無添加のワインも栓を開けたら、その瞬間から空気に触れますよね?

はい。製造工程では徹底した酸素管理を実施しており、未開栓の状態ではワインが酸素に触れることはありませんが、開栓するとその瞬間から酸素に触れるため、酸化が始まります。(カタヤマさん)

ワインで起こる頭痛の原因は?

よく「二酸化硫黄」が原因と言われますが、ワインに含まれるレベルの量の二酸化硫黄が原因で頭痛になる方は、硫黄への過敏症レベルの方で、実際の割合はごく稀だとされています。
それ以外にワインを飲んで頭痛になる原因としては、まずアルコール摂取量(つまり飲みすぎ)。ワインは飲み口の良さのわりに平均して13%前後のアルコールを含む(ビールの3倍近いです)ので、自分が思っているよりもアルコールを摂取している可能性があります。(ヤナギハラさん)

飲んだ後で酔いが残るものと、残らないものの差は?赤の方が酔いが回るのが早い?

酔いの回りの速度は血中アルコール濃度によりますので、赤ワインでも白ワインでも、アルコール度数が同じであれば基本的には同じ酔い方をするはずです。ワインのアルコール度数は平均して13%前後ですが、ワインがつくられる産地の気候や、使用されるぶどう品種によって実際のアルコール度数は変わって来ます。
一般的な辛口のテーブルワインの場合でも10%~15%くらいまでの幅を持っていますので、お飲みになる前にアルコール度数を確認しておいて頂くと良いと思います。10%のワインと15%のワインでは、同じ量を飲んでいるつもりでも酔い方は全く変わって来ます。
また、皆さま体験されていると思いますが、その日のご自分の体調も大きく酔い方に影響します。
酔いの残り方ですが、赤ワインは白ワインと比較すると果皮と種子から抽出される成分が加わる分、残りやすいと感じる方が多いようです。

ワインの健康と効能について

ワインの健康成分として良く言われるものがポリフェノールレスベラトロールの2つです。ポリフェノールは活性酸素を消去する抗酸化能力があり、色々と健康面で良い影響を与えると言われ、レスベラトロールには抗癌作用や老人性痴呆症、アルツハイマー病に効果があるという研究発表があります。
これらはぶどうの果皮に主に含まれるため、果皮も一緒に醸造する赤ワインに主に含まれる健康成分という事になります。
それに対する白ワインの健康成分としては利尿作用や抗菌作用などがあるとされています。
ただし、ワインはそれなりのアルコールを含む飲料のため、アルコールの害も考えながらの適正飲酒を宜しくお願いいたします。(ヤナギハラさん)

アカシア(=アラビアガム)は何のために使われるの?

アカシアゴムノキから採取される多糖類の一種です。同様の多糖類がぶどうにも含まれています。ワインには安定剤として使用されており、フレッシュなタイプのワインの色調維持の目的で使われます。(ヤナギハラさん)

オーガニックワインにも酸化防止剤は入っていますか?

普通はオーガニックワインにも酸化防止剤は入っています。また、酸化防止剤として主に使用されている二酸化硫黄(SO2)は、発酵によってぶどうがワインになる際にも少量生成されるので、添加しない場合でもワインに二酸化硫黄がゼロという事はありません。(ヤナギハラさん)

シャツについた赤ワインの落し方を教えてください。

実際に試してみた記事がありますので、こちらをご参照下さい。(ヤナギハラさん)

チリは暑いイメージですが、どうやってワインを保管しているのでしょうか?

チリは南北に細長く、北は砂漠、南は南極、東はアンデス山脈、西は太平洋に囲まれて、様々な気候が混在する国です。ですので、もちろん暖かいエリアもありますが、非常に涼しいエリアもあります。
暖かいエリアでは、涼しい地下のワインセラーでワインを保管しているワイナリーが多いと思います。(ナカガワさん)

日本ワインの世界的な評価は?

日本ワインの品質は2000年代に入って急速に向上しており、日本のワイナリー数も近年劇的に増加しています。それに伴い世界的な評価も向上しており、世界のソムリエたちも日本のワインに興味津々です。

近年は国際的なワインコンクールで最高賞を獲得するような日本のワインも増えて来ました。サントリーの日本ワインも、海外のコンクールで多くの賞を頂いています。最近ではサントリー・日本ワインのフラッグシップである「登美 赤 2013」が世界最大級のワインコンペディションである「インターナショナルワインチャレンジ2018」で、部門最高賞であるトロフィーを日本ワインとして初めて受賞しています。(ヤナギハラさん)

仕事中にも仕事でワインをテイスティングしますか?

します。かなり頻繁にしています。早い時は朝一番から。多い時は一日で200種類くらいテイスティングする事もあります。(ヤナギハラさん)

今回のセミナーでテイスティングしたワインたちのアルコール度数は?

「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。赤」は11%。
「サンタ バイ サンタ カロリーナ カベルネ・ソーヴィニヨン」は12.5%です。(ヤナギハラさん)

「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」の和紙っぽいラベルへの思い入れを聞かせて下さい。

「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」は原料や味わい、デザインなど多くのこだわりを持って、日本国内で製造されており、さらに酸化防止剤を使っておらず自然でやさしいイメージを持ったブランドです。
「和紙風」ラベルには、そういった「こだわり」や「国内製造」、「ナチュラルさ」「やさしさ」といったブランドイメージを込めています。(カタヤマさん)

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この記事で皆様がこれまで抱いていたワインへの疑問は解消されたでしょうか?

まだ物足りないよ!という方のために、この記事の元となったオンラインセミナーの動画を期間限定で全編公開中です。
すてきなワインライフのお供にどうぞ。

それでは今日はここまで!
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