家でつくるハイボールがここまで変わる!?ウイスキーの伝道者が本当に伝えたい飲み方の神髄とは!
シャインの皆さま、お疲れ様です!
サントリーの様々な企業活動を「まるで社員」のような気持ちで体験いただき、サントリーや社会のこれからを一緒に考えていくプログラム「マル・デ・シャイン」。
今回は、6/2(火)に実施したマル・デ・シャイン初のオンラインセミナー
「ウイスキーの美味しい飲み方を探ってみなはれ」のご紹介をさせていただきます。
まずはオープニングのご挨拶
まずは本日の司会、マル・デ・シャイン企画担当のウエダさんのご挨拶からスタート。
往年の格闘技控室レポートのような廊下からはじまります。
講師のササキさんからは「アナウンサーみたいだな~笑」と言われていました。
冒頭、おもむろにウエダさんから「挨拶を考えてきました」という謎の一言が。
「マル・デ・シャインの「シャイン」の皆さまと、輝く「シャイン」にちなんで「レッツ・シャイン!」という掛け声を節々に入れていきます。」
ということでさっそく記念すべき(?)最初のレッツ・シャイン!が発せられました。
「レッツ・シャイン!」
続いて登場の、同じくマル・デ・シャイン企画担当のエザワさん。
ウエダさんの「レッツ・シャイン」に思わずニンマリなところから引き継ぎます。
エザワさんからは、最近のサントリーの取り組みをご報告させていただきました。
サントリーでもこの時勢に合わせて微力ながらいろいろな取り組みを始めさせていただいています。皆さまも気になるものがあればぜひご覧になってみてください。
その① 医療機関向け消毒用アルコールの提供開始
その② 外食店さま支援サービス「さきめし」さんとの提携スタート
いよいよセミナースタート!
まずは講師のササキさんの登場。
「皆さんこんばんは!サントリー ウイスキーアンバサダーのササキでございます。
本日はマル・デ・シャインのリアルタイムウェブセミナーということで、あまりウェブセミナーという経験がないのですが、ウェブセミナーならではの面白みもあると思うので短い時間ですが皆さんに楽しんでいただければと思っています。」
ここで少し、講師・ササキさんのご紹介。
実はササキさん、身長195cm(!)の元バレーボール選手。
2011年に全国でも10名しか持っていない「マスターオブウィスキー」という資格を取得し、現在はサントリースピリッツ株式会社に所属して日夜ウイスキーの啓発に携わっています。
ここでササキさんからウイスキークイズ!
「日本で過去一番売れたウイスキーをご存じですか?」
正解は1950年発売の「サントリーオールド」
なんと、1980年代には日本人の成人男性全員が、年間一人当たり6本飲んでいた計算になるぐらいの量が売れたという記録を持っています。
続いてウイスキーに関する豆知識をいくつかご紹介。
その① ウイスキーの語源
ウイスキーの語源はゲール語の「Uisge-beatha(ウシュクベーハー)」(=いのちの水)と言われていて、それが時代を経ていまのウイスキーに変わっていったと言われているそうです。
その② 日本に初めてウイスキーが来たのは?
ウイスキーを始めて日本に持ち込んだのはあの「ペリー」と言われています。
彼が滞在中に催した宴会でウイスキーが振る舞われ、それを飲んだのが初めて日本でウイスキーを飲んだ人たちと言われているそうです。
また、当時の将軍・徳川家定に献上されたという記録も残っているそうで、ここから日本とウイスキーの関りが始まっていきます。
皆さんも機会があればぜひ飲み会などでウンチクとして披露してみてください!
ウイスキーのつくりについて
続いてここからウイスキーの製造工程のお話しに入ります。
ここからはバーチャル蒸溜所ツアーということで、数日前に撮影した「山崎蒸溜所」の様子を映像でご紹介いたしました。
レポートではその一部をご紹介させていただきます。
まずは山崎蒸溜所のエントランスがドン!
美しい自然の中にたたずむ姿は雄大です。
今は新緑が生い茂る季節で、蒸溜所の敷地内も非常にさわやかな雰囲気だそうです。
続いて仕込み槽がドン!
この槽ひとつで10数トンの大きさだそうです。
ここでウイスキーの原料である麦芽を仕込んで、穀物の中のでんぷんを糖に変える「糖化」という工程が行われています。
お次は醗酵室。木桶の発酵槽がずらりと並びます。
先ほど糖化させた麦汁をこの槽に移し、ここで糖分をアルコールに変える「発酵」の工程が行われます。
山崎蒸溜所では木製の槽が8個、ステンレス製の槽が12個。計20個の槽があり、ここで約60時間ほど発酵を行ってアルコール度数7%ほどの溶液が作られます。
ここでできたものを俗に「もろみ」と呼びます。
そして「蒸溜」工程です。山崎蒸溜所にはこのように形の異なった釜が全部で16器あります。
ここで先ほどできた「もろみ液」をぐつぐつと煮立てて気体にし、また液体に戻すという工程を行うことで、水分が蒸発してアルコール濃度が上がります。
これでようやく「ニューポット」と呼ばれるウイスキーの原液が出来上がりました。
ちなみにこの釜の形の違いによってもウイスキーのキャラクターが変わってくるそうで、ウイスキーの原酒を作り分けるために使い分けられています。
いよいよ最後は貯蔵です。
先ほどの原液に少し水分を足して、長いものでは何十年と寝かせていきます。
樽がずらーっと並ぶさまは本当に圧巻ですね。
ここの貯蔵庫は樽を数段しか重ねない「ダンネージ式」という昔ながらの貯蔵方法をしています。
ちなみにウイスキーは貯蔵をしていると一年間で約3%、樽の中身が減っていきます。
これを俗に「エンジェルズシェア(天使の分け前)」と呼びますが、とってもロマンティックな響きですね。
また樽の大きさも様々で、180L~480Lぐらいまでと幅が広く、この大きさの違いもウイスキーの出来上がりに影響します。
最後は貯蔵庫を出たところにあるお庭の映像。
左側に映っている小さな滝は、ウイスキーの仕込みにも使われている山崎の地下水です。
水がきれいなので季節になるとモリアオガエルが遊びに来たりするそうです。
ここからいよいよ美味しいハイボールの作り方!
ですが。
レポートなのでそちらの詳細はこのスライドで割愛させていただきます。
この作り方でつくっていただくと、水や氷で味が薄まりづらくなり長くウイスキー本来の味を楽しんでいただけるので本当におすすめです。
ぜひお試しください。
それでは完成したところで、乾杯の「スコール!」
サントリーでは乾杯のときに「スコール」という掛け声を使います。
デンマーク語で「乾杯」の意味ですが、皆さまもよかったらどこかで使ってみてください。
そして美味しいハイボールの作り方で作ったハイボールの美味しさは、このササキさんの表情からお察しください。
ここで少しおつまみ(マリアージュ)のお話し
この日ササキさんが、ハイボールづくりに使った「メーカーズマーク」に合わせて用意したのはこちら。
左側がナッツ、右側が燻製のうずらの卵です。(チョコではないです、卵です。)
「メーカーズマーク」は甘味がしっかりした、バーボンの中でもまろやかなウイスキーなので、甘みのあるお料理、ナッツなど歯ごたえのある料理、いぶした料理と相性がいいとのこと。
実際にうずらの卵を味見させていただきましたが、甘みのしっかりした味付けと、メーカーズマークのふんわりした甘さがとても合い、また最後に鼻から抜けるうずらの燻製香がウイスキーの香りをさらに引き立ててとても美味しかったです。
ナッツもうずらの卵も、コンビニ等で手軽に買えるものなのでぜひトライしてみてください。
最後にササキさんからマリアージュの一番のポイントが。
「マリアージュには一応セオリーがあるけど、正解はないもの。
格好をつけないで飲むことが、逆にかっこいいウイスキーの飲み方だと思う。
好きな人と、好きなところで、好きなウイスキーを、好きな飲み方で飲むというのが一番おすすめの飲み方。
いろいろ試して皆さんのテッパンの飲み方を見つけてみてください。それを探す過程がまた楽しいですよ。」
とオシャレなアドバイスをいただきました。
それではここから質問タイム
セミナー中にチャットで視聴者の方からいただいた質問に、講師ササキさんがものすごく丁寧に解説をしてくれました。
せっかくのレポートなので余すことなく全文を掲載します!
知っているとウイスキー通にまた一歩近づける、とてもためになる情報なので気になる方はぜひ読んでみてください!
Q1.ポットスチル(蒸溜釜)の形で味は変わりますか?
ササキさん:良い質問ですね~。わたしにあと2時間しゃべらせてください笑
先ほどお見せしたように山崎蒸溜所では形の違う蒸溜釜を複数持っています。
釜の形で変わるのは「味」というより「酒の質」の方です。
「蒸溜」の工程では「発酵」が終わったもろみ液を熱して、水分を飛ばしてアルコール濃度を上げていくという工程が行われているので、タンクの大きさや、タンク上部についている「スワンネック」と呼ばれる管の部分の形状によってアルコールが重いタイプかどうかなどが変わってきます。
ウイスキーの本場スコットランドには約150か所ぐらいの蒸溜所があるのですが、スコットランドでは他の蒸溜所から原酒を買い付けるという文化があり、自分のところで原酒を作り分けなくても複数種の原酒を手に入れることができます。
ですので、スコットランドの人がサントリーの蒸溜所に来ると「君たちは中古の釜を買ってきて使っているのかい?」とよく聞かれるのですが、「日本には原酒を売り買いする流れがないので全部自分たちのところでつくる必要があり釜の形を分けているんですよ。」と説明をしています。
そしてこの後の貯蔵工程で何十年も寝かせることによってウイスキーは作られていきますが、どういう変化をしていくかは出来上がってみないとわからないし、ウイスキーづくりはその結果や経験を通して知見を積んでいくもの。
日本のウイスキーづくりはようやく100年を迎えるが、こうするとこういう味になるというのはそうして学んできたものです。
だからこそ今、様々な原酒を作り分けて数十年先のウイスキーのために作り分けをしています。
ということで一つの質問でだいぶ長くなってしまいました笑
Q2.ササキさんがウイスキー初心者におすすめするウイスキーを教えてください。
ササキさん:そうですね、社員として答えるなら「サントリーのウイスキー全部!」と言いたいところですがなかなかそうもいかないので笑
まずジャンルのお話しをすると、ウイスキーは大きく分けて「シングルモルト」「シングルグレーン」「ブレンデッドウイスキー」の3種に分かれます。
一番味の個性が強いのが「シングルモルト」ですが、世界のウイスキーの9割は「ブレンデッドウイスキー」。
まずは「ブレンデッドウイスキー」から入門し、徐々に味の個性や好みを知っていって、「シングルモルト」に移っていくのが良いのではないでしょうか?
また、一つのウイスキーをストレートで飲んだり、ハイボールで飲んだり、飲み方を変えてみるのもいいですよ。
サントリーで言うと、ブレンデッドウイスキーなら「角」や「トリス」「ティーチャーズ」などが入門としてはおすすめ。
ブレンデッドウイスキーを経験して、もっと個性がほしいな~となったらシングルモルトウイスキーに入っていって、例えば「グレンフィディック」「マッカラン」「ボウモア」「ラフロイグ」などキャラクターの強いものがあります。
そうしていくうちに、自分はクセが強いのがいい、まろやかな方が好き、とわかっていきます。
Q3.ハイボールを作る際、レモン風味のスパークリングソーダで作ってみましたが、やはりプレーンタイプの方が良いのでしょうか?
ササキさん:難しい質問ですね笑 レモン味が好きな方もいると思うので、おすすめするのはハイボールをプレーンソーダで作って、そのあとにレモンを絞る方法です。レモン風味のソーダはそれ自身で味が完成しているものなので、それでハイボールを作るとレモンの風味が違う風に出てしまう可能性があります。
ちなみにどんなウイスキーにレモンを入れるのが良いかというのは答えがない話です笑
ウイスキーは嗜好品なので、皆さんがそれをやってみて美味しいと思ったらそれが答えです。
なのでレモン風味のスパークリングでやってみて美味しかったらそれも正解です笑
Q4.「ミスト」というのはどういう飲み方ですか?
ササキさん:クラッシュアイスをグラスに入れて飲むスタイルです。
氷の大きさによってウイスキーの冷えるスピードに差が出るのですが、ミストの場合は小さい氷がたくさん入っているのでその分ウイスキーと氷が接する面積が大きくなり、一番冷えるし冷えるスピードも速い飲み方ということ。
ですので、ものすごく冷たいウイスキーをロックで飲みたい場合にはこの飲み方がおすすめです。
逆に一番氷とウイスキーの接地面が少ないのは丸氷。ウイスキーの溶けるスピードが一番遅いので、ウイスキーをゆっくりと飲みたい時はロックがおすすめです。
Q5.ササキさん自身が普段よく飲むウイスキーは何ですか?
ササキさん:実はこう見えてウイスキーだけを飲んでいるわけではなくビールも好きです笑
最初はビールを飲んで、あとからゆっくりウイスキーに移ったりしています。
また、場所やお店の種類で飲み分けたりもします。
居酒屋などでは、みんなとワイワイ楽しく「ジムビーム」のハイボールを飲んだりするし、一人のときやバーに行くときはシングルモルトを選ぶことが多いです。
飲む順番は、アルコール度数の低いものから飲むというセオリーに則って、ハイボール → ハーフロック → ロック → そして最後はストレートというような流れ。
銘柄で言えば、「白州」のようにスモーキーな香りがあるものが好きです。スコッチのシングルモルトで言うと「ボウモア」とか。
私のお気に入りは、「ボウモア」を濃いめのハイボールで飲む飲み方です。
ということでセミナーレポートはここまで!
最後はウエダさん渾身のラスト・レッツ・シャインでお別れです。
また次回のイベントやnoteなどでお会いしましょう!
レッツ・シャイン!
おまけ
こちらの記事には載せきれなかった、セミナー準備の裏側などをこちらの記事にざっくりまとめています。よかったらこちらもどうぞ。
===================
お知らせ
マル・デ・シャインでは今後もセミナーの企画を予定しております。気になった方は、ぜひ今のうちにマル・デ・シャインへのご入会とメルマガのご登録をお願いいたします!
(イベントのご案内はメルマガ等で告知をさせていただく場合が多いので。)
※入会時に「エントリーシート(アンケート)」の記入をお願いしています。所要時間20分ぐらいですので、お時間と気持ちに余裕のある時にトライください。
===================
編集後記
実はこちらのセミナー、昨年もリアルイベントとして実施し、好評だったので今年もより多くのお客さまに参加いただくべく、開催を準備していました。
しかしながらこのご時世でイベントは中止の運びとなり、急遽オンラインでの開催を企画することとなりました。
私たちとしても初の「オンラインセミナー」だったので、シャインの皆様にどうやったら楽しんでいただけるのか、議論に議論を重ね、準備をしながらも不安になることが何度もありましたが、セミナー中のチャットコメントやアンケートなどで温かいお言葉や、楽しかったよ!の言葉をいただきとても励みになりました。
ですがまだ改善できることは多々あると思っていますので、これに甘んじることなく次回はもっともっとシャインのみなさまに楽しんでいただける企画をしたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!